目指すもの

ユネスコ世界自然遺産の屋久島は、九州最高峰の宮之浦岳を擁する山岳島です。標高に応じて移り変わるさまざまな環境に、多くの生き物が生息しています。この自然を後世に伝えるためには、そこに住むいきものの暮らしを調査研究によって明らかにすること、調査研究を行う人材を育成すること、研究によって得られた成果を多くの人々に伝えること、それをもとにして、自然と人のあるべき関係について、さまざまな立場の人の力をあわせることが必要です。わたしたちは、「ヤクザル調査隊」と自称して、1989年以来、毎年夏に、ボランティアの調査員を募り、屋久島でサルの分布調査を行ってきました。屋久島の厳しい自然の中で、毎年数10人の学生がキャンプしながら行う調査を続けてきたわたしたちの活動は、屋久島のいきものの知られざる姿を明らかにする調査研究活動であると同時に、屋久島の自然に心を寄せ、自然にかかわる人材を育成する場としても機能してきました。屋久島いきもの調査隊は、「ヤクザル調査隊」の活動をさらに発展させ、研究だけにとどまらず、屋久島で、人と自然の共存を目指すさまざまな活動を繰り広げていきます。

設立の経緯

ヤクザル調査隊は、1989年に龍谷大学の好廣眞一を代表として開始されました。以来、2021年までで33回にわたり、毎年夏に屋久島で調査を行っています。33回の調査で参加した人は、のべ1500人以上に上ります。この調査は、ニホンザルによる農作物被害対策の基礎資料を提供するために、全島での分布の状況を明らかにすることを目的として始まりました。当初の目的を達成したあと、1998年以降は、屋久島西部、瀬切川上流域に調査地を定め、ニホンザルの個体数と、その住処である森林が、長年のあいだにどのように変化していくかについて、継続して調査を行っています。現在は、ニホンザルだけでなく、様々ないきものにも研究を展開しています。当法人は、ヤクザル調査隊の活動を、学術的な側面からさらに発展させるため、2022年に設立されました。

組織概要

名称特定非営利活動法人屋久島いきもの調査隊
英文名称Yakushima Wildlife Research Group
所在地愛知県犬山市大字善師野字伏屋7番地1
法人設立日2022年6月30日
代表者理事長 好廣眞一
役員(2022年6月~2023年11月)好廣眞一(理事長)、大谷洋介(副理事長)、半谷吾郎(理事)、平田亨(理事)、清野未恵子(理事)、藤野正也(理事)、大坂桃子(理事)、三井崇史(監事)、赤見理恵(監事)
事業目的この法人は、屋久島の野生動植物に対して、その学術研究と研究結果の普及に関する事業を行い、野生動物をはじめとする自然と人の望ましい関係構築に係る問題の改善や解決を図り、 屋久島の自然の価値の向上とその理解の増進に寄与することを目的とする。
設立趣旨書設立趣旨書
連絡先yakuzaru.researchgroup@gmail.com