わたしたちは、「ヤクザル調査隊」と称して、全国からボランティアの調査員を募り、毎年夏に屋久島の瀬切川上流域で、ニホンザルをはじめとする様々ないきものの調査を行っています。ニホンザルの調査は、ブロック分割定点調査法という方法で行っています。調査経験の少ない調査員は定点に一日とどまってサルの出現を記録し、どこにサルが多いのかを調べます。定点調査員は、サルを見つけたら、群れを追跡する少数のベテラン調査員に無線機で連絡し、追跡者はそれをもとにして群れを追跡して、識別している群れの位置や構成を記録します。少数の経験豊かな調査員と、多数の経験の少ない調査員が有機的に組み合わさって、調査を行ってきました。このデータを積み重ねることによって、ニホンザルの個体数がどのように変動しているのか、長期にわたって調査を継続しています。  多くの調査員が毎年決まった時期に屋久島に集まる体制を活かして、ニホンザル以外にもさまざまないきものの調査も行ってきました。ニホンザルの住処である森林の、樹木の種構成、毎年の果実生産、ニホンジカ、ヤマビル、アカヒゲのような、ほかの動物の調査も行っています。

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