わたしたちは、「ヤクザル調査隊」と称して、全国からボランティアの調査員を募り、毎年夏に屋久島の瀬切川上流域で、ニホンザルをはじめとする様々ないきものの調査を行っています。ニホンザルの調査は、ブロック分割定点調査法という方法で行っています。調査経験の少ない調査員は定点に一日とどまってサルの出現を記録し、どこにサルが多いのかを調べます。定点調査員は、サルを見つけたら、群れを追跡する少数のベテラン調査員に無線機で連絡し、追跡者はそれをもとにして群れを追跡して、識別している群れの位置や構成を記録します。少数の経験豊かな調査員と、多数の経験の少ない調査員が有機的に組み合わさって、調査を行ってきました。このデータを積み重ねることによって、ニホンザルの個体数がどのように変動しているのか、長期にわたって調査を継続しています。 多くの調査員が毎年決まった時期に屋久島に集まる体制を活かして、ニホンザル以外にもさまざまないきものの調査も行ってきました。ニホンザルの住処である森林の、樹木の種構成、毎年の果実生産、ニホンジカ、ヤマビル、アカヒゲのような、ほかの動物の調査も行っています。
ニホンザル
現在のわたしたちのニホンザル研究の大きな目的は、屋久島のヤクスギ林で、森林の更新に応じて、ニホンザルの個体数がどのように変化し、その社会がどのように移り変わっていくのかを明らか...
続きを読むニホンジカ
屋久島にいる中型以上の哺乳類は、ニホンザルとニホンジカだけです。2008年から、ニホンザルの調査に使う定点近くの決まった区画で、シカの糞を毎年数える方法によって、シカの数の変化...
続きを読むヤマビル
屋久島には、調査員を悩ます吸血動物、ヤマビルがいます。森の中で一日じっとする定点調査は、ヒルを集めるのにも向いています。しかも、彼らの食物は、わたしたちヤクザル調査隊の主な研究...
続きを読む研究データ公開
ヤクザル調査隊では、さまざまなデータを集めています。多くの方々に利用していただくため、それらのデータを公開します。このページでは全体を公開していないデータの使用を希望される場合...
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