2020年サイエンスカフェ
2020年10月25日(日)に、岐阜大学サテライトキャンパス(中会議室)およびキャンパスプラザ京都(6階・第8講習室)にて開催されました。参加者は、岐阜会場8名、京都会場8名、オンライン16名でした。
岐阜大学の原田守啓さん(1995‐1997年参加)と京都大学の徳山奈帆子さん(2007-2010年参加)をお招きしました。
原田さんは、河川工学が専門で、水理学や河川生態学、地質学など、さまざまな観点から河川の研究を進められています。 また、ヤクザル調査隊に多数の参加者を送り出している、岐阜大学生物科学研究会のOBで、現在は顧問を務められています。
徳山さんは、アフリカの熱帯林に住む、野生ボノボやチンパンジーの生態を研究しています。
おふたりには、学生時代に参加したヤクザル調査隊の経験、そこから今に至るまでの道のり、現在進めている研究、研究を通じた社会とのかかわりなどについて、話していただきました。
「屋久島の森からアフリカの森へ」
徳山奈帆子(京都大学霊長類研究所、2007‐2010参加)
学部生の間、ヤクザル調査に参加しました。2011年からは、コンゴ民主共和国でボノボの研究を行っています。ボノボはチンパンジーと同じく最もヒトに近い動物で、類人猿の中で唯一メス優位・中心の社会を持ちます。日本ではなじみの薄い存在であるボノボについてや、ヤクザル調査中のように「水道、電気、ガス、電話、ネット」がない奥地の村での生活、ボノボや森を守るための取り組みなどについてお話したいと思います。
「河川研究者に大事なことは(けっこう)屋久島で教わってた」
原田守啓(岐阜大学流域圏科学研究センター、1995‐1997参加)
岐阜大学工学部土木工学科在籍時に生物科学研究会サークルの先輩に誘われてヤクザル調査に参加。コンサルタント技術者、研究機関ポスドクを経て母校で河川工学を教えています。川は水が流れ土砂が動き植物が茂り、さまざまな地形を形成してこれが多様な生息場所を形作ります。川の外まで視野を広げれば、川の個性は流域の地形地質や気候によって形作られていることが分かってきます。そんな「川の見方」についてお話しします。